大阪に住む人なら知らない者はいない、激安スーパー玉出。
パチンコ屋みたいにド派手な電飾と、１円セールが有名だった。
大阪府下に店舗を何店も構え、テレビや新聞にも広告を出し、常に客は殺到し大繁盛しているかに思われた。
それが、今年に入って相次ぐ閉店。
まずは大阪市外の店舗から。
以前住んでいたところの近くにあったのが、玉造店。
ここは大丈夫だろうか？
愛用していた私は気が気でなかった。
その時はまだチラシもう出ていたし、求人募集とまで書かれていたからここは大丈夫だろう。
そう祈らずにはいられなかった。
何年も通ってたから顔見知りの店員さんもいるわけで。
「ここは大丈夫なん？」
ある時ふと尋ねてみた。
「いやぁ、僕たちも何も聞かされてないからわかんないですよ。小阪もなくなったし…どうでしょうね」
そんな会話を交わした。
夜にシフト入ってる、眼鏡をかけた優しいおにいさん。
あの時はそんなふうに言っていたけど、あれ以来お会いしてなくて。
閉店まであと数日。
それまでに会えるかなぁ、また会って
今までありがとう、そう言いたいな。
お店ってさ、安いだけでなく
お店の人が親切だったり、話しやすかったり
そんなんで行こうと思ったりする。
そのおにいさんは、おだやかで親しみやすくて
レジ打ちのわずかな時間だけど、癒やされました。
落ち着いた声と話し方で、にこっと笑ってくれて
帰る時ほっこりとした気分になりました。
次の仕事は決まってるのかな。
このお店がなくなってしまっても、
またどこかで笑っていてくれますように。
玉出といえばお惣菜も安い。
これは人によって賛否両論あったが、
私は好きだしおいしいのいろいろあった。
焼きそばも食べ納め。
昔は100円だった。カップ焼きそばより安い。
今日買い物に行ったら、店内の商品はだいぶ少なくなり
パンとかの生鮮品はなく、通路だけが広くなっていた。
こんな光景もさみしい。
働いてる人はどんな気持ちで、ガラガラになっていく店内を見ているのかな。
せつないな。
昔は24時間営業で、いつでも空いている安心感。
外には100均グッズもあった。
その後は６時〜24に変わり、朝ご飯を買いに行ったりもした。
値引き商品には随分お世話になりました。
ずっとあると思っていた。
玉出ありがたすぎて、引っ越しの時は近くにスーパー玉出あるかまで検討した。
けれど永遠に存在するものなどそうそうないのだと、身にしみて感じた。
当たり前だった日常が、当たり前でなくなっていく。
働いていた人は、いきなり失業という窮地にたたされてしまう。
やりきれないね。
目の前の物や出来事は、いつか消えてなくなってしまうかもしれない。
そう思うと、日々を大切にしていこうと思うのです。
#閉店
#今までありがとう
